94年の歴史展ーとしまえんの卒業アルバム@としまえん(豊島園)
|2020年7月23日
としまえん、8/31閉園まであと…39日!
4連休初日の7/23入園。
としまえんど
最後となる渾身の自虐ギャグ炸裂!としまえんど。
外観
1926年9月15日オープン。練馬城だったところ。
2020年8月31日閉園予定。94年間の歴史に幕を閉じます。
近所すぎて、身近すぎて、いつでも行けるので「また今度」と先延ばしにして、全然、行けてなかった、としまえん。
閉園が決まって、もう「また今度」なんて言ってられない。
「コロナが収まってから」も、今の状況だと無理そう。
不要不急な外出ではなく、個人的には、緊急必要な外出です。
事前予約
この日は、あいにくの雨(「入園のみ」で良かった)。
事前予約制になって、天候ギャンブル感(キャンセルは2日前まで)
1日券買ってたら雨だと、かなり残念。
「雨だから明日にしよう」も、若干しづらい。
天気予報よく外れるし。
94年の歴史展
94年の歴史展ーとしまえんの卒業アルバム(7/23〜8/31)。
会場
会場は、フライングパイレーツが目印、2階のソレイユホール。
会場
94年の歴史展
ごあいさつ
大正、昭和、平成、令和と94年間の歴史の一端が展示されています。
としまえん主催。
会場
会場図
歴史ガイド
7/23〜8/31まで毎週木曜日、勤続40年スタッフ歴史ガイドによる展示解説あり。
展示解説だけでなく、裏話(ネットに書けない「ここだけの話」)含む。
としまえんと日本の年表
としまえんの歴史
としまえんの歴史
としまえんの歴史
創成期
1926年9月15日部分開園、1927年4月29日全面開園
「運動と園芸を東京市民に広く推奨するため」一般公開
当初は、自然公園として、遊戯施設、文化施設(音楽堂・野外劇場・児童館)、スポーツ施設(プール・野球場・児童館)、スポーツ施設(プール・野球場・陸上競技場・テニスコート)、動物園、レストラン。
としまえん乗り物第1号は、1927年、ウォーターシュート。
高さ20mの斜面を平底ボートで下って着水。
着水の瞬間、船頭さんがジャンプするパフォーマンスが人気(たまに落ちる)。
1929年、大プール・小プール。
50mの大プールは競泳用プール、20mの小プールは婦人用プールと呼ばれ、男女別。当時は、ふんどし姿の男性客も多くいました。
遊園地基盤施設建設期
戦後、営業再開すると、大型施設を国内外から導入。
日本初!モノレール 1951年、空飛ぶ電車。
上野動物園(1957年)より先に、としまえんにモノレールがありました。
懸垂型プロペラ推進方式で計画しましたが、推力が出ないため台車をモーターで回す方式を採用(プロペラはダミー)。
1956年 観覧車。
としまえんにも、昔は観覧車がありました。
今で言うプールエリア、ハイドロポリス近く。
世界初!屋内スキー場 1958年、豊島園インドアスキー場。
スキー場はたくさんありましたが、屋内は世界初。
世界初!1965年、流れるプール。
前例がないため、担当者は実際に川に行きテストを重ねました。
当初、流すためにポンプ10台で稼働しましたが、営業を始めてみるとお客さんが一方向に歩く力で自然に流れることがわかり、現在は5台。
1965年、ローラーコースター サイクロン。
トンネルを通るコースターとしては日本初。
日本初!ダークライド 1969年、アフリカ館。
海外旅行が難しい昭和の時代、壮大さ・リアルさをテーマに、アフリカを再現。
乗り物に乗ってジオラマの世界を回る本格的ダークライド。
1984年開業の千葉にある夢の国のジャ○グルクル○ズより、はるか前に、としまえんにありました。
アフリカ館の跡地は、トイザらス。
中型遊戯施設導入 スリルマシン全盛期
スリルマシン全盛期であり、としまえん的にも全盛期。
ピーク時は、年間400万人来園(今は100万人くらい)。
予算もあるので、アメリカ・ドイツから絶叫マシーンなど、積極的に導入。
多いときは、アトラクション55くらいありました。
1971年 回転木馬カルーセルエルドラド、導入。
1980年 急加速型コースター シャトルループ、導入。
宙返り寸前に身体が受ける加速度は6.5G。
1983年、アーケードゲーム。
1984年、フライングパイレーツ。
大型のフライングパイレーツとしては日本初。
待ち時間の長さを解消するため、20分以内に乗れるよう逆算した結果、240名に。
120名✕2機とも、毎日稼働していました。
1988年、ハイドロポリス。
9種類31コース(現在は26くらい)ウォータースライダー。
曲線型の大型ウォータースライダーとしては日本初。
ハードだけでなく、ソフト面では、
日本初!1977年、年間会員制度(フリーパス)木馬の会、発足。
千葉の夢の国が開業する前に、遊園地として日本で初めて、フリーパス導入。
日本初!1980年、1日券、導入。
1年や1日で定額で何個でも何度でも料金を気にせず気軽に乗れる遊園地。
チラシ
チラシ
としまえん野外ステージ、実は、昭和の歌謡史の舞台。
中森明菜、田原俊彦など、多くの大御所歌手が若い頃に歌いました。
フォトスポット
カルーセルエルドラド
1907年ドイツの名工ヒューゴー・ハッセ製作。
第一次世界大戦前の不穏な空気の中、
1911年、大西洋を渡りアメリカ・ニューヨーク南端コニーアイランドへ。
カルーセルは回転木馬、エルドラドはスペイン語で黄金郷。
セオドア・ルールベルト大統領、アル・カポネなど有名人も多く乗りました。
1964年閉園。解体され倉庫へ。
1969年 売りに出され、としまえんが購入。
保存状態が悪くボロボロで、修復に時間がかかりました。
塗装を剥がし、1番下(1907年当時)の塗装を再現。
2年間の修復を経て、1971年導入。
2010年には、機械遺産に認定。
ちなみに、流れている音楽はオリジナル曲。
エルドラドの行方
「としまえん閉園後は、解体され保管されることになりますが、またどこかで皆さまにお会いできる日がくるはずです。その日が来ることを楽しみにお待ちください。」
閉園後、エルドラドをどうするか、まだ決まっていません。
解体され保管されることだけが決まっています。
今の状態のまま今の場所に残す可能性はありません。
売りに出して、買った先に移設して回せばいい、という単純な話ではなく、木造建築なので耐震の構造計算や許認可が必要だったり、メンテンスや安全管理など、移設のハードルはかなり高め。
移設して、美術品として展示だけすればいいという意見もありますが、回らなければ意味がありません。
でも、3〜4年後を目処に、またどこかで回ります。
歴史ガイドしてくれた内田さんが、必ず、命をかけて、またどこかで回します。
無塗装の木馬
無塗装の木馬
カルーセルエルドラド
遊園地の原点回帰 新たな方向の模索期
某ランドができる前、東京で、昭和のアベック(死語)のデートと言えば、としまえんか後楽園。
若者の人気を集めていたとしまえんでしたが、若い人はなかなかリピートしてくれない。
1984年には千葉(自称東京)に同業他社が開業。
としまえんは方針転換。
絶叫マシーンなど若者向けよりも、子連れファミリーで楽しめる遊園地に原点回帰。
都心にありながら、緑が豊かで、子どもから年配の方まで3世代が楽しめる遊園地。
1992年〜、桜まつり。
2002年〜、あじさい祭り。
2003年、庭の湯、開業(ファミリー重視なのに何故か中学生以下不可だけど)
2010年〜2018年、身長が低くても乗れる、ミニイーグルなど既存アトラクションのミニ版を導入。
2011年〜イルミネーション
エルちゃん
2013年2014年 公式キャラクター エルちゃん・カルちゃん誕生!
・・・エルちゃん・カルちゃん、意外と新人だったのね。
カルちゃん
懐かしのポスター&CM動画
迷惑かかるといけないので掲載自粛しますが、懐かしのポスター&CM動画、多数展示。
閉園8/31までに、会場に行って、ご覧ください。
ファイナルメッセージボード
ファイナルメッセージボード
としまえんへの最後のメッセージを書いて貼れるコーナーあり。
スタッフメッセージ
最後に
としまえんの思い出、記憶は永遠です。
94年間、こちらこそありがとうございました。お疲れさまでした。
別に日本初・世界初を狙っていたわけではなく、戦前からある老舗だからと言って守りに入らず、常にアグレッシブにお客さんが笑顔で帰れるように考え続けていたら、結果的に、日本や世界で初めてだった、というだけ。
ちなみに、展示解説で、閉園後にアトラクションはどうなるのか、という質問が出て、一部は、西武園ゆうえんちに移設する予定。実は西武グループ(知らなかった)の八景島シーパラダイスに移設するものもある。一部は、解体・廃棄されるものもある、とのこと。
さらに、ちなみに、余計なお世話で、閉園したら、スタッフ達さんはどうなるのか。閉園後、失業したら転職活動たいへんそう、と勝手に心配してましたが、安心して下さい。西武グループということで、社員さん全員、西武園ゆうえんちに転勤になるみたい。
最後に、としまえんの名誉のために強調しておきますが、としまえんは経営難で潰れるわけではありませんし、西武グループのお荷物だったわけでもありません。確かに波あり谷ありの94年の歴史の中には、そんな時代もありましたが、少なくとも近年は、真っ赤な赤字を出しているわけでもなく、東京都による都市計画と、親会社の都合がなければ、94年なんて半端な年で閉めるのではなく、100周年も迎えることができましたし、まだまだ長く、ずっとずっと営業を続けることができました。
これだけは誤解しないように。
古い乗り物 跡地めぐり
園内のあちこちに、今は亡き古い乗り物跡地を示すパネルを設置(7/23〜8/31)。
跡地めぐり
フライングカーペット(1983年〜2017年)
フライングカーペット跡地
見た目はまさに「空飛ぶじゅうたん」。
現在は、ミニチュアガーデン付近。
トップスピン(1991年〜2004年)
トップスピン跡地
ピーク時は、待ち行列が100m。
現在の、東ゲートと立体駐車場の近く。
ロープーウェイ(1958年〜撤去年不明)
としまえんには、ロープーウェイもありました。
現在の正門花壇から石神井川を渡り、エルドラド広場まで。
正門からのメインストリートができる前、石神井川を渡ると大きな池がありました。
ロープーウェイ
パネルは、スカイトレインの下にありました。
ラウンドアップ(1965年〜1992年)
ラウンドアップ跡地
空高くから落ちる不安満載の円形舞台ライド。
現在のパイレーツ付近。
アストロライナー(1980年代〜1990年代)
アストロライナー跡地
ロケットに乗って宇宙旅行へ!
実は、音や映像に合わせて、スタッフがジョイスティックで操作してました。
現在の、こどもの森付近。
ユーロライナー(1970年〜2016年)
ユーロライナー跡地
1970年時点に2006年を想像して作られたロマンあるメリーゴーランド。
現在の、トリクルメイズ付近。
インドアスキー場(1958年〜撤去年不明)
屋内スキー場としては世界初。
シャトルループ(1980年〜2007年)
走行時間わずか35秒の世界最強コースター。
インドアスキー場、シャトルループ跡地
インドアスキー場、シャトルループは、現在の、BBQテラス付近。
空飛ぶ電車(1957年〜撤去年不明)
空飛ぶ電車跡地
日本初のモノレール。
フライングパイレーツ建物の脇にパネル設置(乗り場跡地?)
観覧車(1956年〜1982年)
としまえんにも、観覧車がありました。
高さは10mほどでしたが、7mほどの高台にあるため、遊園地側から見ると20mほどに見えました。
観覧車跡地
跡地は、現在のハイドロポリスの場所。
実際は、石神井川よりプール側にありましたが、立ち入ることができないエリアのため、パネルは、遊園地側、アソブラボーの裏にあります。
ウォーターシュート(1927年〜1968年)
ウォーターシュート跡地
現在のプールエリアのハイドロポリス付近が乗り場。
石神井川を越えて、フリュームライド付近の池に着水。
94年間ありがとう
イベント情報
謎解きゲーム としまえんの謎を解け!カーニバルタウン前 特設テント
ウォーターマーメイド
S.I.P.Hによるウォーターマーメイドショー。
プールエリア公演もあり。
ウォーターマーメイドショー(ソレイユステージ)
ウォーターマーメイドショー(ソレイユステージ)
あわあわアワー
あわあわアワー(ソレイユステージ)
DJとダンサーによる、泡だらけになって楽しめる、あわあわアワー。
プロジェクションマッピング
噴水ショー
プロジェクションマッピング、噴水ショーは、プールエリア。
この日は、(入園のみチケットなので)プールエリア入れず、後日。
メッセージボード
94年間ありがとう、メッセージボード設置。
みんなの思い出が詰まった、としまえん。閉園したら行けないよ。
閉園前に、事前予約して、としまえんに行こう。
(94年の歴史展の)場所はこのへん
としまえんの詳細情報